5月。俺の妹が旅立ちました。
享年14歳、6月13日には誕生日を迎えるはずでした。





その日は至って平凡で、ただ普通の毎日が訪れるはずやった。
俺は無事、高校に入学できて、双子の妹達も中3になって、一番下の妹もちゃんと中1になって。
ただ、双子の妹の片割れ。さおり言うねんけど…そいつは昔っから体がよわかって、
その日は、祖母のいるフランスに居った。
いわゆる、休養中。俺ん家は両親事故で死んでるから、叔父さん家にすんでるんやて。叔父さん、今は一人身やし、赴任してて家にはおらへんし…なんて、色んな理由が重なっての海外休養やった。
別に、夏休みとかゴールデンウィークにはよくある状態やし、その時はなんとも思わなかったんやけどなぁ。





ほんで、さおりの病状が突然変わった。



なんつぅか、やばいらしい。今から俺等飛行機のってフランス行くわけにもいかんやんか…。
ていうか、病状がやばくなるってのもよくあることやし、すぐまたよくなるんやろー。
そんな風に、気楽に考えながら俺は友達ん家行ったん。


だけど、俺の考えがアホやった。あいつは、誰も看取ってやれんまま、一人でどっかに行ってまったん。
寂しがりやのさおりが一人で行ってしまったなんて、最初はありえんと思った。
携帯の向こうからしおりの悲しそうな声が俺の思いを攫っていった。

俺はその電話がかかってきた時、ゲーセンに居って。ダチと遊んでて。

なんで、最初に病状が変化したときに、無理にでも飛行機乗ってかけつけてやれへんかったんやろうなぁ。ってめっさ後悔した。





棺のなかのさおりが、悲しげに見えたことだけ覚えてる。
あいつ、悲しんだりしたことなかったのに、最後の最後でそんな顔させてしまったんなんて。俺、最悪やな。
さおりがゆっくり、灰になっていく。俺は、泣けなかった。
泣くよりも、自分が憎くてたまらんかったんやとおもう。

母さんがだいすきだったさおりだけは、母さんが眠ってる墓地に埋葬したかった。
でも、なんか出来ないんやて。国籍がどうとか。色々。

 

さおりがいなくなってから、なんかぽっかりと穴があいたみたいやった。
料理当番してたって、さおりの分をどうしても用意してまう自分がおったりして、なんか自分はまだ認めてないみたい。
頭ではわかっててん。でも心が理解してないんやて。


ま、そんなかんじでさ。チャットで知り合ったやつは、大抵さおりとも面識あるやん?
俺、行きにくくなってまったし、もうブログとか続けれる自信ないで…。


今まで、ほんと、おおきにでした。




メールとか、してくれるんは嬉しいけど、返事、できへんかもしれん。
できんくても、怒らんといてな。

 

 











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